■禁止事項と注意点
日本においてはマッサージ資格を持たないものがマッサージ業を営むことはできません。タイマッサージを実際に行なう上では、覚えた順番どおりに施術をおこなうことではありません。重要なことは、クライアントが害になることは一切しないことです。クライアントの体調によっては、事故につながる危険性をはらんでいます。術者は注意事項に気を配り、施術中、患者にとって危険性のあるテクニックを把握し、施術を行なう必要があります。クライアントの病歴や体調を細かく問診するのは常に術者の責任であり、細心の注意を一時も怠ることなく施術に当たらなければなりません。術者はクライアントの細かな要望に応じる必要があり、クライアントがその都度要望を言える環境および雰囲気づくりも行なうことが大切です。さらに術者は、瞑想的境地かつ精神を集中した状態で施術を行なわなくてはなりません。なるべく深く安定した呼吸で、施術に集中してください。雑念が浮かんできたら自らそれを取り除き、ひとつひとつの圧迫に気持ちを込めて一貫した施術を行なってください。
・クライアントが重病の場合、身体が弱っている場合には行なわない。
・クライアントが高熱を出している場合には行なわない。
・クライアントが骨そしょう症の場合、骨に負担がかかるような強い圧迫、ストレッチングは行なわない。
・リンパや血液循環を促進するためガン治療には用いらない。
・血液をサラサラにする薬物を服用しているクライアントに圧迫を行なう場合には、微力で行なう。
・あざができやすいクライアントに圧迫を行なう場合は、微力で行なう。
・脊椎に痛みを感じている場合には、あおむけでのストレッチなどの痛みを強く生じさせる技は除外する。
・妊婦には細心の注意を払い、腹部の施術と背中下部の圧迫は避ける。腹部への負担がかかる姿勢はとらない。
・止血テクニックは、心臓病、糖尿病、血管障害、血圧障害の恐れがある場合には行なわない。
・タイでは宗教上の理由から生理中の女性には行なわないが、医学的には問題がない。
・食後1時間以内には腹部の施術は行なわない。
・けがなどの外傷や静脈瘤などがある箇所は避けて行なう。
・6ヶ月以内に骨折した箇所は、避けて行なう。
・関節炎の生じている患部は避けて行なう。
・皮膚の外傷のある箇所は避けて行なう。 |