まず、(写真7)を見てください。ここでは、背中の筋肉を圧迫しています。受け手に手を首の後ろで組んでもらっていますが、タイ式マッサージには、2人の協力が何よりも必要なのです。気持ちをひとつにし、いたわりの心をもって行うことが大切です。背筋に膝を当てた状態で、腰のほうから始め、肩甲骨のあたりまで3~5回に分けて順番に圧迫しています。
ここで、注意するのは、正確に膝を背筋に当てるということです。背中のまん中には、背骨があります。ここに膝を当ててしまうと、背骨に損傷を与えてしまう可能性があります。骨粗鬆症などの場合には、骨が砕けてしまいます。
では、順番に手順を説明しましょう。まず、施術者は、足を肩幅程度に軽く開いた状態から、受け手の背筋に自分の膝を合わせながら、ゆっくりと座ります。施術者自身も両手を組んで、受け手の肘を内側に軽く押さえつけ固定します。そこから、施術者は膝を前に突き出しながら、両手で後ろに引き付けます。こうすることで、背中が圧迫されるわけです。力加減が微妙ですので、最初から強く行わないようにしてください。あとは、この要領で膝の当てる位置を上のほうにずらしていくことで、一連の動きが完了します。 |