タイ古式マッサージ「ヌアボーラン」は、人体に「セン」と呼ばれるエネルギーラインが流れているという考え方の上に成り立っています。このセンは目に見えないもので、解剖学上確かめることはできません。このエネルギーラインの考え方は、インド医学(アーユルヴェータ)にも存在しており、ヌアボーランが、インドを起源とするヨガの影響を明らかに受けていることがよくわかります。 中国の経路にもこのようなエネルギーラインが存在しますが、これらは似通っていますが決して一致していません。目には見えないけれども、確実に作用する力。それこそが不可思議なエネルギーであり、それが「気」なのです。東洋医学全般にこのような「気」の流れる道があるとされ、まさにタイ古式マッサージ・ヌアボーランも東洋医学のひとつであることがわかります。
人間は、自分を取り巻く宇宙エネルギーと常にバランスを保ちながら、肉体や精神を維持しています。呼吸によって吸収された空気や食事によって吸収された食物は、人体に入ってから生命エネルギー(プラーナ/気)に変わり、エネルギーラインを通 って全身に供給されます。つまり、エネルギーラインは、自分と宇宙エネルギーを結ぶ掛け橋の役割をしているのです。エネルギーラインは、10本のセンのほか、網の目状にめぐる気道72000本のナーディーを加えて「2番目の皮膚」「2番目の身体」として人体を形成しています。たとえば、人間が具合が悪いという状態は、生命エネルギー(プラーナ)の供給が妨害され、不足した状態と考えられます。そこで、マッサージによってエネルギーラインに刺激を与え、生命エネルギー(プラーナ)の流れを正常にしていくというわけです。
プラ-ナとは、サンスクリット語で「古い伝説」という意味。ヒンズー教の教えで神々を讃える内容のこと。インド医学では、体内に宿るエネルギーのことをこう呼びます。それは大きな活力を持ち、ときに激しく運動するというもの。このプラ-ナが渦巻きのように凝縮した場所がチャクラなのです。
ヌアボーランでは、エネルギーラインの中でも特に重要とされる10本の全身のセンを刺激するようにして施術を行います。その中でも6本が足(足裏~足の付け根)の部分に集中しているため、通常のヌアボーランでは、足の部分のマッサージからスタートします。そして、全体の中でもその割合が多いというのも、他のマッサージと比較した場合のひとつの特徴と言えるでしょう。「セン」というエネルギーラインの存在自体は、解剖学上確認できませんが、最近の研究によって、ヌアボーランの効果 が、肉体や内臓に対して非常に有効的であると、立証されはじめてているのです。現代では、「気/プラ-ナ」の存在も明らかになってきています。その存在は、波動で確認できます。波動は目には見えないレベルの細かな振動で、世の中のすべての物質はそれぞれに違った形の波動をもっています。クオーツ時計(水晶時計)は、正確に時を刻みますが、この原理は水晶の振動を利用したものであるように、現代産業においても用いられています。