後方にそらすストレッチングは、腰部に支点をつくり、後方にそらします。手を当てて支点をつくる場合、膝を当てて支点をつくる場合、足で押さえて支点をつくる場合があります。
ストレッチングを行うときには、レシーバーの身体のどの部分をどう感じさせるかを、ひとつひとつイメージしてテクニックを連続させていきます。やみくもに引っ張ればいいとか、やみくもに持ち上げればいいとかということではありません。身体の柔軟性はひとりひとり違います。もっと言えば、その日の体調によっても異なってくる微妙なものです。どこまで引っ張ればいいか、どこまで持ち上げればいいかは、レシーバーの身体が必ず教えてくれるものです。例えば、身体が堅い場合には、同じテンションで持ち上げていくと、身体は徐々に硬くなっていくのが感じられます。その感覚を感じ取ることがセラピストには求められます。そうすれば、自然に止まるところが見つかるはずです。そこで必ずとめてください。そのまま数秒とめておけば充分にストレッチングの効果を発揮することができます。そこからさらに引っ張ったり持ち上げたりすると事故につながる恐れがあります。事故は1センチの違いで起こります。優雅で大胆なストレッチングテクニックは、タイ古式マッサージを志す者にとって、興味をそそるものですが、1センチで重大な事故につながる危険性をはらんでいますので、注意が必要です。 |